表紙 > 和本画像文庫 > 赤穂浪士の勇士がずらり『義士銘々伝』 > 第1巻


『義士銘々伝』第1巻

→第2巻 →第3巻

第1巻の書き下しはこちらgishiden01.pdf


凡例
・吉良邸討ち入り参加者(いわゆる四十七士)は名前の前にが付いています。
・肖像には戒名が添えてりますが異同の確認のため、泉岳寺発行の『義士銘々伝』に載っている戒名を【戒名】以下に記しました。

浅野内匠頭長矩

浅野内匠頭長矩,浅野長矩

浅野内匠頭長矩(あさの たくみのかみ ながのり)
【戒名】冷光院殿前少府朝散太夫吹毛玄利大居士
【読み下し】
常に温柔にして仁愛厚く、義を重んじ忠を守り、文武兼備の勇壮の将たりといへども、数度の恥辱憤りに堪えず、国を失い命を失う、節に臨みて席を論ぜざるは、武士の常なるべし、

大石内蔵助良雄

大石内蔵助良雄,大石良雄

大石内蔵助良雄(おおいし くらのすけ よしお/よしたか)
【戒名】忠誠院刃空浄剣居士
【読み下し】
それ忠は、豈(あに)惟(ただ)君に奉じ、身を忘れ色を正し、辞(ことば)を直し難に臨み、節に死するのみならんや、命を全うし君のために一所懸命の時に臨みて、志(こころざし)を遂ぐるを以って誠忠の臣と云うべし、主家滅亡に及び、良雄亡君の遺命を守り、志(こころざし)金鉄のごとき誠忠の義臣を選み、盟約を堅して竟(つい)に本懐を遂げ、名を累代に耀かせり、

堀部弥兵衛金丸と木村岡右衛門貞行

堀部弥兵衛金丸,木村岡右衛門貞行,堀部金丸,木村貞行

堀部弥兵衛金丸(ほりべ やへえ かなまる)
【戒名】刃毛知劒信士
【読み下し】
金丸は年七旬を過せども、壮健にして武備に委(くわし)き勇強の士なり、

木村岡右衛門貞行(きむら おかえもん さだゆき)
【戒名】刃通普劒信士
【読み下し】
辞世 武士の道とばかりにひとすじに おもいたちぬる死出の山道

赤埴源蔵重賢と矢田五郎右衛門助武

赤埴源蔵重賢,矢田五郎右衛門助武,赤埴重賢,矢田助武

赤埴源蔵重賢(あかばね げんぞう しげかた)
【戒名】刃広忠劒信士
【読み下し】
重賢は剛勇の生質にて力業を好み武術に通暁す、赤穂離散に及び大石に誓約して関東へ下り、初め芝町に矢田五朗右衛門と合住にて借家す、大酒を好みて満酔せざる日はなし、討ち入りの時も酒を徳利に入れ腰に付けて働きけるとぞ、稀代の豪傑なり、

矢田五郎右衛門助武(やだ ごろうえもん すけたけ)
【戒名】刃勘要劒信士
【読み下し】
助武は赤垣源蔵と倶(とも)に芝に住し、厳島の社家の旅宿なりと披露なし、二人とも日毎に酒宴のみ楽しみ居たりけるゆえ、誰あって敵を狙う者と心付く者なかりしとぞ、泉岳寺へ引き取りの時、近辺の者源蔵・五朗右衛門を見て驚き誉めけるとなり、

冨森助右衛門正因と片岡源五右衛門高房

冨森助右衛門正因,片岡源五右衛門高房,冨森正因,片岡高房

富森助右衛門正因(とみのもり すけえもん まさより)
【戒名】刃勇相劒信士
【読み下し】
正因は馬術の妙を得て、遠乗りに馬の労(つか)るる事なしとぞ、
飛こんで手にもとまらぬあられ哉 富森春帆(正因の俳号)

片岡源五右衛門高房(かたおか げんごえもん たかふさ)
【戒名】刃勘要劒信士
【読み下し】
高房は片岡六右衛門の養子なり、高貞の寵臣にして数度君を諫(いさ)めけれども詮なく、高貞切腹の砌(みぎり)遺言を受けて、大石に伝え本国に馳せ行きて、籠城殉死に志(こころざし)を決す忠勇の士なり、
※塩冶高貞は浅野長矩のこと

堀部安兵衛武傭と間十次郎光興

堀部安兵衛武傭,間十次郎光興,堀部武傭,間光興

堀部安兵衛武庸(ほりべ やすべえ たけつね)
【戒名】刃雲輝劒信士
【読み下し】
武庸は剣術の達人にして手跡をよくす、武庸生涯に敵を三度討ちしとぞ、古今稀なる豪傑たり、

間十次郎光興(はざまじゅうじろうみつおき)
【戒名】刃澤蔵劒信士
【読み下し】
光興は東国定府の者ゆえ、離散して後、本所に借家なし、杣屋半七と変名なし、商人となり小間物を商い、敵邸の様子を伺う、兼て亡君の敵師直の首級(くび)我が手に採らずんば、生きて再び墓前に到るまじと目黒不動尊に誓いせし、示現にや終(つい)に其詞(そのことば)を果し得たり、
俳諧を嗜みて名を竹平とよべり、淡雪やあとから野辺に青い草

不破数右衛門正種と小野寺十内秀和

不破数右衛門正種,小野寺十内秀和,不破正種,小野寺秀和

不破数右衛門正種(ふわ かずえもん まさたね)
【戒名】刃観祖劒信士
【読み下し】
正種は武芸に執心して剣術に達し、居物(すえもの)切りの上手なり、試し斬りに長じ君の勘気を蒙り流浪して浪花に在しに、赤穂の凶変を聞籠城殉死せんと馳行けれども大石これを許さず、盟約に加りけるに妻病(やまい)に死せり、当年六才なる大三郎を伯母の方へ預けそれより関東に発足なし、終に本懐を遂ぐる、

小野寺十内秀和(おのでら じゅうない ひでかず)
【戒名】刃以串劒信士
【読み下し】
秀和は武芸軍慮の学に委(くわ)しく、風流に遊びて和歌を善(よ)くす、辞世に なからえて花を待つべき身ならば 猶おしまるる年の暮れかな

武林唯七隆重と礒貝十郎左衛門正久

武林唯七隆重,礒貝十郎左衛門正久,武林隆重,礒貝正久

武林唯七隆重(たけばやし ただしち たかしげ)
【戒名】刃性春劒信士
【読み下し】
隆重は武芸ことごとく通達し、力量強き豪傑なり、されども孝心深く、父には早く送れ老母を労(いたわ)り、孝養の功なること、女子の介抱するが如し、母は主君の乳母にて、高貞と乳兄弟なり、大石報讐盟約の事を老母推察なし、唯七関東発足の事を悦び、旅の調度を取揃え、前夜自害して死せり、辞世の歌に なきあとにかたみをとみよそでのつゆ なみだにかすむおぼろよの月 行年七十二才 隆重夜討の節、親の怨魂を慰めんと、遺物の小袖肌を放さざりしとぞ、
※塩冶高貞は浅野長矩のこと

磯貝十郎左衞門正久(いそがい じゅうろうざえもん まさひさ)
【戒名】刃周求劒信士
【読み下し】
正久は元愛宕山教学院の小姓なりしが、武備を好み克(よ)く長刀の術を得たりと聞きて、高貞所望せられ召し抱えられし新参の近臣なり、されど誠忠ゆえ、大石報讐の列に加えしとなり、
※塩冶高貞は浅野長矩のこと

神崎与五郎則休と村松三太夫高直

神崎与五郎則休,村松三太夫高直,神崎則休,村松高直

神崎与五郎則休(かんざき よごろう のりやす)
【戒名】刃利教劒信士
【読み下し】
則休は幼き頃より武芸を執心なしければ、克(よ)くその妙を得たり、勇気あれども常に温柔にして、書を読み風流を楽とす、梓弓倭の道へ踏みも見し 小手指原に雪ハ降つつ

村松三太夫高直(むらまつ さんだゆう たかなお)
【戒名】刃清元劒信士
【読み下し】
高直は武術に達し、流浪のうちも両親に孝心ふかき誠の士なり、

岡野金右衛門包秀と倉橋伝助武幸

岡野金右衛門包秀,倉橋伝助武幸,岡野包秀,倉橋武幸

岡野金右衛門包秀(おかの きんえもん かねひで)
【戒名】刃回逸劒信士
【読み下し】
包秀は父金右衛門の三男なり、故あって幼きより僧となりしが、兄九十朗病(やまい)に死せり、還俗して九十朗と呼べり、父金右衛門忠義一図(一途)の士といえども、老衰ゆえ息九十朗を金右衛門と改め、大石に頼み終に病死せり、包秀父の遺命をつぎ忠義に死せり、

倉橋伝助武幸(くらはし でんすけ たけゆき)
【戒名】刃鍛練劒信士
【読み下し】
武幸は前原伊介と倶(とも)に小切商人と姿を省(やつ)し、本所に住し敵邸の様子を捜り、吉良より上杉家へ通路の術を心付けしとなり、実に誠忠の士なり、

寺坂吉右衛門信行

寺坂信行

寺坂吉右衛門信行(てらさか きちえもん のぶゆき)
【戒名】節岩了貞信士(江戸曹渓寺)・遂道退身信士(江戸泉岳寺)
【読み下し】
信行の祖父は常陸国麻生五丁田村の産なり、浅野家に仕えて吉田忠左衞門の組下の足軽小頭を労(つと)む、その身小禄にして軽しといへども、義士の列に入り、復讐のために苦心をなす、遖(あっぱれ)誠忠と謂うべし、


→第2巻 →第3巻

inserted by FC2 system